FC2ブログ
元会計事務所員。税務・会計関係の『積読本』消化をめざして立ち上げた感想文ブログです。

第69回 交際費総点検!(13) 工場見学費用と交際費~通達改正の変遷:「税理士・春香の事件簿」(2001年)

税理士・春香の事件簿
 三木義一著、清文社、2001年

税理士・春香の事件簿税理士・春香の事件簿
(2001/11)
三木 義一

商品詳細を見る

[購入動機] 気まぐれです。
[コメント] 気楽に読むことができる判例解説本ではあります。

【参考】
小山真輝編著 「法人税関係租税当別措置法通達逐条解説」、財経詳報社、平成20年
森田政夫著 「問答式交際費・リベート等の税務と会計」、清文社、平成18年
早川芳夫 「事例でみる交際費」、同文館出版、平成15年
【今回のブログの目次】
1. 工場見学のための支出~三木義一著、「税理士春香の事件簿」(清文社、2001年)
2. 現・措置法通達61の4(1)-17(現地案内等に要する費用)の改正の変遷
3. 文理解釈よりも…類例を集めてみる!
4. 感想等


1. 工場見学のための支出~三木義一著、「税理士春香の事件簿」(清文社、2001年)

 以前、「TAC NEWS」で連載されていた「女子大生会計士の事件簿」というものが単行本にまとめられた頃(2002年)、税理士でも「事件簿」と称するものが発売されました。
 
 「税理士春香の事件簿」(清文社、2001)です。帯には「さまざまな税務事件を、会話形式でわかりやすく解説。全国の女性税理士によるコラム「私の事件簿」を掲載」とあります。はしがきによれば、「税理士が寝ころんで読んでもわかるような判例解説」をしてほしいという依頼を受けて著者の三木先生がまとめられたもののようです。
 
登場人物は
 
 春香(25才)  税理士登録1年目の新米勤務税理士。好奇心旺盛で張り切っている。
 所長(53才)  税理士事務所開業20年のベテラン。若手税理士の指導にも熱心。
 山川(28才)  同事務所職員。長年税理士試験を受験しているが、まだ合格していない。
 
という構成です。
 
 「事件」と「税務」が絡む本としては…はこの本が初めてという訳ではありません。宮沢賢二の短編に「税務署長の冒険」(1923)というものもあります。こちらは著作権が切れて、「青空文庫」になっていますので、ネット環境の方ならば、無料で手に入ります。
【参考】 国税庁HP 税務行政の民衆化
【参考】 青空文庫 宮沢賢二 「税務署長の冒険」

 この本の場合は、「事件簿」とありますが、金田一君やコナン君のような「殺人事件」が次々と起こる訳ではありません。内容は会計事務所内で繰り広げられる「税務の判例(事件)」トークです。57回追加記事の「税法解釈の常識」や、八ッ尾順一先生の「事例から読み解く 相続税の理論と実務」(ぎょうせい、H24)のような「会話形式」の本となんら変わりはありません(会話体裁の本では3人というのはよくある形です)。


 ちなみに、「税務署長の冒険」の方は、あまり税法には関係した話はなく、金田一君やコナン君たちのような「事件」性がある内容となっています。
 
 今回は、三木先生の本から、「工場見学費用」について、取り上げます。
 
【引用】 「税理士春香の事件簿」、p103~106
春香 「(略)実は、社長からこの機会に得意先の夫婦を工場見学に招待することも相談されているのです。社長は通達からみて、大丈夫だと思うが具体的にどうしたらよいか教えてくれ、とおっしゃるのです」
 
山川 「その通達というのは、租税特別措置法(法人税関係)通達61の4(1)-17のことでしょう」
 
春香 「あたり!さすが、通達の山川さん。会社が工場見学のために支出する金額が、この通達にいう販売に直接要する費用になれば安心というわけです」
 
山川 「この間、同じようなことをお客さんから質問されたので、工場見学のための支出なら大丈夫ですよ、って答えたばかりさ」
 
所長 「ああ、その通達か。確か、改正になったのは、判決で課税庁が敗れたためだと思うよ。その判決を具体的に調べてみた方がいいな」
 
春香 「所長のおっしゃっていた判決はこの大阪地裁の判決ですか?」
bibliography)
大阪地裁平成4年1月22日判決・判時1475号62頁、判タ803号167頁、シュト368号9頁、税資188号73頁
評釈:岩崎政明・ジュリ1049号109頁、長谷川俊明・国際商事法務21巻5号627頁
 
所長 「そうそう、この判決だ。製造業者が得意先を工場見学に招待するための支出が交際費かどうか争われているだろう?」
 
山川 「所長、この事件は外国のユーザー等を日本の工場に招待したケースですよ。これは工場見学というより日本観光旅行なんじゃないですか?」
 
所長 「課税庁もそう理解したから、この費用を交際費と認定したんだ」
 
春香 「ちょっと、発想が古くありませんか?企業活動が国際化している現在、販売促進のために外国の取引先を招待するなんて当たり前じゃないでしょうか」
 
所長 「そうだな、だからあくまでも実態に即して判断すべきなんだろうな。このケースの場合は招待された旅行の実態はどうだったんだい?」
 
春香 「アメリカで商品を購入してくれたユーザー80人とその奥さん19人を8日間日本に招待しています」
 
所長 「どの程度の工場見学をしたんだい」
 
春香 「8日のうち2.5日が工場見学に、述べ3日分が観光にあてられていたようです」
 
山川 「やっぱり、観光が本当なんじゃないですか?」
 
春香 「だから、課税庁は観光目的の招待だと認定したようですけど、終日観光にあてられたのは2日間だけで、あとは工場見学後の移動日の午後に観光しただけのようです。いくら工場見学のための旅行でなければならないといっても、全く観光してはいけないという意味ではないはずでしょう。それにこの観光は同行したご夫人たちのためのものだったようです」
 
山川 「そうだよな、奥さんは工場なんて見たってつまらないものな」
 
所長 「裁判所はどう認定したんだ?」
 
春香 「この会社は工作機械類を販売しているのですが、この販売にとってはユーザーに2台目、3台目を購入してもらうことが販売促進につながること、この旅行は工場見学の実態を備えていること、ユーザーに工場見学をさせることは、原告の商品についての知識を普及させ、原告の知名度信頼度を向上させるなどの販売促進策になるとの判断の下で実施されたとして、アメリカのユーザーを工場に招待するための通常要する費用は交際費には当たらない、としています。」
 
所長 「となると、あとは、具体的な支出のうちどれが通常要する費用となるかだな」
 
山川 「航空運賃は問題ないですよね。このスピード時代に船賃分が通常要する費用だなんてことはないでしょうね」
 
春香 「まさか、航空運賃が通常要する費用に含まれています。でも、あっ、ユーザーの分に限定されています。奥さんの運賃は交際費だとしています」
 
山川 「え~、奥さんのはだめなの?きついな~。この間お客さんに大丈夫ですよ、なんて言っちゃった。でも、おかしいですよ。ことわざにもあるでしょう。『将を射んと欲すればまず馬を射よ』って。ユーザーの判断にもっとも強い影響力を持っているのは奥さんですよ」
 
所長 「しかし、家庭と企業の判断とは別だからな。奥さんにまで工場見学させる必然性はなかったんじゃないかな」
 
山川 「でも、所長のところでも奥さんがうんと言わなきゃ何も決まらないじゃないですか」
 
所長 「そう思わせているだけさ。家のことと事務所のことは別にしているよ。そうすると、夫人たちにかかった費用は全部だめか?」
 
春香 「そのようです。ほかの項目でもすべて否認されています」
 
所長 「工場見学に関連して支出したもののうち、夫人の分に相当する金額観光目的のための支出除かれるというわけか」
 
春香 「そのようです。貸切バスの代金、手荷物運送用トラック運賃、同行した旅行企画会社の社員の宿泊費、ポーター代、雑費などはすべて、夫人及び観光用に要したとみられる部分を控除した残額のみ通常要する費用とされています」
 
山川 「へぇ~、ポーター代まで分割しているの。ちょっと読ませて。本当だ、『参加者の手荷物運搬のためのポーター代は、67,350円と認められる。このうち、参加者のうちユーザーの占める割合に相当する金額である54,424円がユーザーの前記各工場の見学に招待するために通常要する費用として…損金に算入すべき金額というべき』って述べています。ずいぶん細かいですね」
 
所長 「税金の取消訴訟だ、金額が細かくなるのは当然だよ」
 
山川 「宴会費もこうやるんですかね?」
 
春香 「宴会費や拝観料、ガイドサービス料、添乗員費用などはすべて観光目的のためのものであるから交際費だとされています」
 
所長 「ということは、あくまでも工場見学に通常要する費用に限定されている、ということだな(以下略)」
 
 
  春香さん「さすが、通達の山川さん!」って、それ褒め言葉じゃないッス(笑)。会計事務所では、山川さんのようなタイプは要領の良い人間に利用されがちなので、がんばってほしいところですね(試験ガンバレ)。こういうレベルの会話が事務所内でできれば、ほんと幸せなんでしょうけれども…(まあ無理でしょうね)。



 
2. 現・措置法通達61の4(1)-17(現地案内等に要する費用)の改正の変遷

 上の取り上げている措置法通達61の4(1)-17(現地案内等に要する費用)は次のようなものです。
 
(現地案内等に要する費用)
614(1)-17 次に掲げる費用は、販売のために直接要する費用として交際費等に該当しないものとする。(昭50年直法2-21「41」、昭52年直法2-33「37」、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
 
(1)  不動産販売業を営む法人が、土地の販売に当たり一般の顧客を現地に案内する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
 
(2)  旅行あっせん業を営む法人が、団体旅行のあっせんをするに当たって、旅行先の決定等の必要上その団体の責任者等特定の者を事前にその旅行予定地に案内する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用(旅行先の旅館業者等がこれらの費用を負担した場合におけるその負担した金額を含む。)
 
(3)  新製品、季節商品等の展示会等に得意先等を招待する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
 
(4)  自社製品又は取扱商品に関する商品知識の普及等のため得意先等に当該製品又は商品の製造工場等を見学させる場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
 
 
 「措置法通達逐条解説」の内容をまとめると次のようになります。
法人税関係措置法通達逐条解説―平成19年12月1日現在版法人税関係措置法通達逐条解説―平成19年12月1日現在版
(2008/02)
小山 真輝

商品詳細を見る

 
【引用・まとめ】 措置法通達逐条解説 p502
・交通費
・食事費
・宿泊費
で「通常要する費用」
1)~(3)
その営む事業の特殊性から行わざるを得ない現地案内
(1)不動産販売業・現地案内費
(2)旅行あっせん業・団体旅行の下見
(3)新製品等の展示会
【販売のために直接要する費用】
・狭義の営業費(営業直接費)
・接待等の性格が希薄
交際費等に該当しない
(もとより、併せて行う宴会等であれば、その費用は交際費等とされる。)
4)
展示会等又は得意先等に対する工場見学(卸売店舗の見学等を含む)
 
 行為形態としては「交通費」「食事費」「宿泊費」など、外形からは「三要件」の「行為の様態」を満たしそうなものではありますが、「業務の特殊性から行わざるを得ない現地案内」タイプのものと、「展示会・工場見学」タイプのものの二つについては、「支出の目的」からみて営業直接費であり、接待等の性格は希薄であるため、交際費から除外する―という云わば当然のことを言っている通達ではあります。しかし、実務上では、これらが「名目的に行われる」ケースがあるなど実質面が問われがちなものでもあり、しばしばトラブルになるものです(事実認定の問題)。
 
 上記の「税理士春名の事件簿」では、この通達は課税庁敗訴の判決を受けて改正となったとあります。少し気になるので、過去の「税務六法」(通達編)をみると、この通達は、次のような改正を経ています。
 
現措置法通達61の4(1)-17の改正の変遷
① 旧62(1)-14(現地案内等に要する費用) (1)(3)
 
② 旧62(1)-14(現地案内等に要する費用) (1)(3)(4) [昭50直法2-21「41」改正] 
 ※ (4)追加
 
③ 旧62(1)-14(現地案内等に要する費用) (1)(2)(3)(4) [昭52直法2-33「37」改正]
 ※ (2)追加
 
④ 旧62(1)-14(現地案内等に要する費用) (1)(2)(3)(4)[昭54直法2-31「19」改正]
 ※ (2)括弧書き追加
 「(2)の旅行業者が行う団体旅行の責任者等に対する現地案内費等については、事実上旅館業者が負担していることも多い」という事実を鑑みて、追加されたもの
 
⑤ 現61の4(1)-17(現地案内等に要する費用) (1)(2)(3)(4) [平6課法2-5「31」改正]
 ※ 通達番号改正
 
 
 もともと(1)~(4)の全部を掲げていたわけではなかったようですね。ただ、「税理士春名の事件簿」では、H4大阪地裁判決を、通達改正の契機となったものとして取り上げていますが、H4大阪地裁判決以後の改正は、H6改正のみで、しかも、このH6改正は通達番号の改正。しかも、H4大阪地裁判決は、課税庁が敗れたという判決ではないと思うのですが…(このあたりが調べきれず…)。「課税庁の敗訴が契機になった改正」というのは、他のものとの勘違いでしょうかね…。
 
 「交際費税務に生かす判例・裁決例50選(53選)」では、61の4(1)-17関連では次のものが掲載されています。
 
①事例25 仙台地裁H58.4.8判決 TKC21078026
 販売促進と接待・供応の限界―工場見学者への交通費

②事例26 大阪地裁H4.1.22判決 TAINS Z188-6835
 工場見学の招待費用―工場見学に通常要する費用と観光費用

③事例27 東京地裁S531.26判決 TAINS Z097-4115
 研修を前提とした工場見学の費用―得意先団体役員等の工場見学の性格―

 
 
 これらは、いずれも交際費を認定したものであり、実態から見て観光なり接待であるというものでした(山本先生の書籍の記述でも記されているように、まず交際費の裁判での納税者勝訴といえば「興安丸事件」と「萬有製薬事件」ですので…(62回参照))。
 
 まだまだ調べ足りないのですが、「税理士春名の事件簿」の記述の「改正となったのは、課税庁が敗れたため」とは一体何だったのか気になります(コンメンタールに書いてあるのかしら…)。
 
 
 
 
3. 文理解釈よりも…類例を集めてみる!

 「税理士春香の事件簿」にあるように、この通達の運用については、内容・行程について細かい話がついて回ってくると思います。そうなれば、事例の「集積」というものが必要になりそうですね。少し上げてみると次のような感じでしょうか。
 
1)の例
①不動産販売業を営む法人の現地案内費用(バス・JR・食事・宿泊)
 
顧客を開拓するための「広告宣伝費」
交際費等に該当しない
一般顧客に限定(特別なもてなしは交際費。例:手土産、宴会費)
②分譲住宅の建売業者が建物完成までに顧客の要望を聞くため、契約済みの顧客を建設途上の現地に案内する場合
既に契約した顧客は、通達(1)に当てはまらないが、「販売のための直接費用」であり、「不可欠な費用」
交際費等に該当しない
③建設現場を別の顧客に見せるにあたってその現場の施主に支払う謝礼金
通達(1)文言は、「交通費、宿泊費等」を「新しい顧客に対して支出」するものであるが、既に居住している施主への負担に対する補償費という性格もある
交際費等には該当しない(建売業者と施主との間に予め契約がある場合)
④ゴルフ会員権業者であるが、会員権購入の予定者を当該ゴルフ場へ招待している場合
イ 案内交通費
ロ 昼食代
ハ ハーフプレー代
ゴルフ会員権業者が会員権を販売するための顧客をゴルフ場に案内する費用は、通達(1)と同視しうる。
イ・ロ 交際費等に該当しない。
ハ 交際費等に該当する(販売のための現地案内費用でなく、特定の得意先の接待費用と考えられる)
(2)の例
①旅行あっせん業を営む法人が事前に団内旅行の責任者等を旅行予定先に案内する費用(団体旅行の下見費用)
例:修学旅行のスケジュール決定、安全確保のため責任者等を事前に現地案内
団体旅行を円滑に行うために必要な行為であり、接待等をするためのものではない
交際費等に該当しない(事前調査のため同一のルート・宿泊先で案内すべき。グリーン券の利用、高級料理、グレードの高いホテルの宿泊の場合、通常要する費用を超える部分は交際費。酒宴、手土産は交際費等)。
②ホテル業を営む会社であるが旅行斡旋会社が旅行の獲得のため、旅行担当責任者を下見のため現地案内する費用のうち、当ホテルを利用する予定の場合には、下見に要する費用の全額を当ホテルが負担することとしている場合(下見費用を旅行あっせん会社に支払っている)
旅行あっせん業者でなくホテル・旅館業者が負担することとなっても、支出目的からして旅行あっせん業者と同様。
交際費等に該当しない。
(3)の例
① 新製品・季節商品の展示会に要する費用
イ おみやげの贈答費用
ロ ホテル、温泉旅館等で開催する場合
展示会の目的は、新製品、季節商品を事前に展示してその品質、性能、使用方法等をPRすることであり、接待等を目的とはしない(仮に交通費、宿泊費等を負担しなければ、来客減となり、効果が薄れる。)
イ 交際費に該当する(通常要する費用の範囲に入らない)。ただし新製品等の広告宣伝のために作成した少額物品の贈答費用は該当しないものと思われる。
 
ロ 開催場所でなく、実態で判断される。宴会も行われる場合には、「展示のために通常要する費用」と「その他の費用」の区分する必要がある(ただし、展示会が名目的な場合には、全額が交際費とされるリスクあり)。案内所、展示商品リスト、配布パンフレット、展示会場の写真など展示会の実態を説明できるにする。
②子供服メーカーであるが、今年の新製品の売出しにあたり展示会を開催し、広告宣伝する企画をしたが、下記の展示会の開催に要する費用はどのように処理するのか
イ 会場費
ロ 来場者の食事代
ハ 来場者の最寄駅からのタクシー代
二 遠方からの来場者宿泊代
ホ 宴会費
ト 土産代
新製品の展示会等に得意先等を招待する費用は、広告宣伝や販売促進を期待するものであり、展示会開催に通常要する費用は交際費に該当しない。
・イロ二は通常要する費用となり、交際費等に該当しない。広告宣伝費又は販売促進費に該当する
・ ホトは通常要する費用でないと考えられるので、交際費に該当する。
・土産代でも会社の社名入り手帳・手ぬぐい・扇子等であれば交際費とならない。
③ 例年は、本社内会場において展示会を実施しているが、今年は人員等考慮し、保養地のホテルにて実施した。この場合の展示会に要した費用は交際費となるか
保養地で展示会を実施したこと自体をもって、得意先等を旅行等に招待であるt認定したり、交際費に該当するとはいえない。
・展示会の開催地は、参加予定者の人員・会場スペース・参加するための地理的条件等を総合的に勘案して決定されるものである。展示会の実態で判断されるが、展示会に名を借りた保養地への招待であれば、交際費となる。そうでなく展示会の実態があれば交際費とならない。ただし、展示会の開催と宴会が同時に開催されていれば、展示会費用と宴会費用は合理的に区分し、宴会費用は交際費とすべきである。
④新製品の展示会に、ヨーロッパの外国取引先を招待した。そのため、国内取引先の招待費用とは別に、次のような費用が発生したが、どのように処理したらよいか。
イ ヨーロッパとの往復航空運賃
ロ 食事代
ハ 宿泊費
二 来日中の専属通訳費
ホ 京都観光費用
新製品の展示会等に説く先等を招待する費用は、広告宣伝や販売促進を期待するものであり、展示会開催に通常要する費用は交際費に該当しない。
・国内取引先に限定されず海外取引先に対しても同様の取扱いとなる。
・イロハ二は通常要する費用であり交際費には該当しない
・ホは通常要する費用でないので、交際費に該当する
⑤当社はメーカーであるが、代理店を招待し新製品の展示会を開催する際に、代理店がその小売店を同時に招待し、新製品の説明を実施している。当社はこの同時開催費用のうち全部または一部を負担することは交際費となるか
新製品の展示会等に得意先等を招待する費用は、広告宣伝や販売促進を期待するものであり、展示会の開催に通常要する費用は交際費に該当しない。
メーカーが代理店の展示会開催費用を負担しても、同様の趣旨から交際費となる費用の負担部分を除き、交際費に該当しない。広告宣伝費又は販売促進費となる。
4)の例
① 食品メーカーであるが、取引先の経理部長を工場見学に招待した。それに係る下記費用は、交際費となるか。
イ 交通費
ロ 宿泊費
ハ 食事代
二 記念品代
得意先等を工場見学させる費用は広告宣伝、商品知識の普及等に必要な行為であるので、通常要する費用は交際費には該当しない。
・イロハは通常要する費用となり交際費に該当しない
・二は内容によるが、通常要する費用を超える場合は、交際費に該当する。
② 営業担当者が工場見学にかこつけ実施した、宿泊宴会に係る交通費・宿泊費・食事代は交際費となるか。
工場見学の実態・必要性のないのに行った宿泊宴会費用に係る一切の費用が交際費となる。
営業担当者の業務であるが、接待案内に同行した会社役員・使用人分を含めて交際費となる。
((1)①②③(2)①(3)①森田政夫著「問答式交際費・リベート等の税務と会計」(清文社、H18))
((1)④(2)②(3)②③④⑤(4)①② 早川芳夫著「事例でみる交際費」(清文社、H15))
 



4. 感想等
 工場見学や旅行などで、最も焦点となるのは、その「実態」です。「疎明資料」をきちんと残しておかないと、課税庁側のストーリーに乗せられてしまうこともあるので、注意したいところです(調査時は、経理社員のみばかりでなく、その他の社員にもインタビューがあるかもしれません)。
 
  出版当時、「税理士・春香の事件簿」を手に取った方は、どんな感想だったのでしょうかね。判例の話ばかりですので、税法の入門的なところを期待していた方はビックリしたかもしれません。会話自体は会計事務所の方の「感覚」みたいなところが上手く描けていたと思いますが、内容的には、「ライト」なイメージで購入された方には、少し敷居が高い本なのかもしれません。まあ、作中の25歳の税理士(春香さん)のように、若い方がこれくらい語ってくれると、この業界の未来も明るいのですがね…。

 そういえば、「事件」モノとしては、「新宿鮫」シリーズにも、鮫島の同級生の国税職員が絡んだ話がありました。確かマルサの人だったような…。
屍蘭―新宿鮫〈3〉 (光文社文庫)屍蘭―新宿鮫〈3〉 (光文社文庫)
(1999/08)
大沢 在昌

商品詳細を見る


 
 
 
 
関連記事

テーマ : 会計・税務 / 税理士
ジャンル : ビジネス

2013-05-27 : 交際費 : コメント : 0 : トラックバック : 1
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »
書籍・中古本購入サイト
Pagetop

プロフィール

kiyusama31

Author:kiyusama31
男性/神奈川県/乙女座/AB型

 ご訪問、ありがとうございます。
 税務・会計関係の『積読本』の山を崩したいと、日々研鑽中です。「書評」に至らぬ「感想文」レベルですが、長文(5,000字目途?)の記事を掲載していこうかと思っております。

※H25.9 税理士開業致しました!
飯田真之税理士事務所
http://iida-cpta.com/

応援よろしくお願い致します!


こちらはサイト用拍手です。
励みになります!
web拍手 by FC2

FC2カウンター

PR 中古本購入サイト他

カレンダー

08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ファイナンス
10位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
経理・会計
4位
アクセスランキングを見る>>

人気ページランキング

ミニ本棚(ブクログHPに飛びます)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR